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Basic knowledge of engine oilエンジンオイルの基礎知識

エンジンオイルについて

エンジンオイルとは、エンジンに使用されている潤滑油です。エンジンは、クルマにとって重要な部品「心臓」です。エンジンオイルは「血液」にあたります。常に循環している血液がなければ生きていけないように、クルマが機能するには、エンジンオイルがエンジン内を循環することが必要です。エンジンオイルがなければエンジンは壊れてしまいますし、汚れていればエンジンに負担をかけてしまいます。

エンジンオイルの役割は、潤滑、密封、冷却、洗浄、防錆など、エンジンを保護し、エンジンの性能を最大限に活かすために必要なのです。

エンジンオイルの役割About
Engine Oil

潤滑作用01
エンジン内部の金属部品(ピストン、クランクシャフト、カムシャフトなど)が、1分間に数百~数千回転の高速運動をするために生じる摩耗や焼き付きを軽減し、滑らかに動くようにエンジンオイルは働きます。
密封作用02
エンジン内の気密を保ち、燃焼によって作られたエネルギーが隙間から逃げないようにエンジンオイルは働きます。(エンジン内部:シリンダーとピストンの間は完全に密着しているのではなく、わずかな隙間があり、それによってピストン運動を保持しています。)
冷却03
エンジンの各部品は、燃焼や摩擦により、とても高温になっています。エンジンオイルは、各部品から発生した熱を吸収して必要以上の加熱を防いでいます。各部品を回り熱を吸収したオイルは、オイルパン(エンジンオイルを溜めておくところ)に戻り冷却されるのです。
洗浄作用04
エンジンが動くことによって、エンジン内部に付着する汚れや金属のカスが特定の場所に留まらないようにオイルエンジンは、吸着したり分散したりしてエンジン内をクリーンに保ちます。エンジンオイルが黒く汚れるのは、このためなのです。定期的にエンジンオイルを交換することをお薦めいたします。
防錆作用05
エンジン内部では、燃焼や回転運動により高温になるため、外気との温度差により水分が発生し、錆が発生し易い状態になります。エンジンオイルは、エンジン内部の金属部品の表面に膜を作り水分などが直接触れないようにして、エンジンの寿命を短くする錆が発生することを防いでいます。

エンジンオイルの種類

エンジンオイルは、メーカー指定の粘度があり、クルマのマニュアルやオイルの注ぎ口にメーカー指定のオイル粘度が書かれています。そのほかにも、エンジンオイルには種類(オイルを作る製法による3種類)やグレードがあります。

ベースオイルは、I〜V グループに分けられます。

ベースオイルのグループ分け

グループIII
元は鉱物油、高度化処理により分子を細かくしているため、性能的には合成(化学合成)油。性能で見るか、製法で見るか定義がないため、合成油、化学合成油各社により表記が異なります。当社は合成油で統一しています。ほとんどの合成(化学合成)油として表記されているものは、安価で高性能なため多くはグループIII の VHVI のベースオイルを使用しています。

エンジンオイルの種類Type of
Engine Oil

鉱物油01
原油を蒸留して精製された一般的に昔から普及しているエンジンオイルです。価格は安いですが、耐熱性能に劣り酸化も早く劣化しやすい性質があります。分子量がバラバラで揃っていないため、組成が破壊されやすいのです。
部分合成油02
鉱物油に化学合成油あるいは水素化精製油を20%~30%混合したエンジンオイルです。適度な性能とコストの良さが売りですが、耐熱性能などは、【100%合成油】には及びません。
100%合成油03
原料は鉱物油と同じですが、さらに高度で複雑な過程を経て精製されています。価格は高くなりますが、原油から可能な限り不純物を取り除き、成分や分子量を安定させ、エンジン洗浄と環境を考えた高性能なエンジンオイルです。エンジンの冷却性能や保護性能が高く、エンジンオイルの耐久性も長い傾向にあります。あらゆる条件下において高性能を発揮します。

エンジンオイルの規格

エンジンオイルの規格は、【API】、【ILSAC】、【ACEA】、【SAE】そして、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガソリン・ディーゼルエンジン両方に使えるなどがあります。

ガソリンエンジンオイルの記号は「S」です。

ディーゼルエンジンオイルの記号は「C」です。

エンジンオイルの規格Engine Oil
Standards

API規格01
アメリカ石油協会(American Petroleum Institute)がエンジンオイルの品質を定めた規格です。エンジンオイルの品質を使用条件によって分類しています。ガソリンエンジン用オイル」なら「SA」~「SP」までのグレードに分けられ「ディーゼルエンジン用オイル」なら「CA」~「CK」までのグレードに分類されています。
ILSAC規格02
国際潤滑油標準化認定委員会(International Lubricant Standardization Approval Committee)が、API規格の「SH」以上のグレードを基に「省燃費性」を定めた規格です。
各規格のグレード記号
ACEA規格(ヨーロッパ規格)03
欧州自動車工業会 2012年、2016年、2020 年と4年ごとに新規定が追加されました。高温、高負荷の走行耐久性に優れます。長距離を高速走行する機会が多いヨーロッパ仕様のオイル規格です。エンジンが高温になるため、部品クリアランスも国産車に比べ大きくとられています。油膜が厚くエンジン保護がされています。一般的にAPI規格より割高になります。
ACEA規格 油膜の厚さとSAPSについて
SAE規格04
アメリカ自動車技術者協会(Society of Automotive Engineers)機械関連の専門家を会員とするアメリカの非営利団体がオイルの硬さ(粘度)を定めた規格です。
例)10W-40・・・【10W】は、寒い時のオイルの硬さで【W】は、WINTER-冬のWで、寒い冬での粘度の度合いを表したものです。後の【40】は、オイルが高温時での粘度の度合を表しています。
エンジンオイルの粘度表記

基本的にはメーカー推奨の粘度のオイルを使用することがベストですが、エンジンオイルを選ぶ際は、あなたのクルマのエンジンやシチュエーションに合ったオイルを選ぶことが一番重要です。
»クルマの使用目的、現在の走行距離、年式、などで選びます。
»夏場、極端に気温が高く暑い場合。逆に寒冷地など気温が低く、寒い状況下。季節や気温にあわせて選びます。
極端に気温が高く暑いときや、気温の高い地域では、エンジンオイルの粘度を若干上げる必要があります。例えば、メーカー指定「10W-30」ならば、「10W-40」にするという具合です。逆に寒い状況下や、気温の低い地域ではオイルが硬くなってしまいます。エンジン動作の抵抗になります。この場合、粘度をメーカー指定より下げるという選び方をします。このように、シチュエーションにあわせて、オイル粘度は、上げたり下げたり調整して選びます。この選び方は、クルマのメーカの説明書にも記載されています。

オイル粘土の表記

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